Concept

Standing Ovation / 四肢の向かう先

 初めて、ホテルニューアカオを訪れた際、その出で立ちにひどく驚いた。海上から崖の中腹にまで17階の高さの建築物が這いつくばるようにたっているのだ。あまりにも奇妙な人工物と自然物の出会いであり、歪であるが、愛おしい景色を生み出している。

「Standing Ovation / 四肢の向かう先」はホテルニューアカオの15階エレベーターホールから始まる。そこではガイドブックが配られる。そこにはコンセプトおよび導線が記述されている。来訪者はそれをもとにホテルニューアカオを巡回する。この巡回体験とは、二次元的かつ地図的な移動ではない、上下左右に限らない複合的なかつ動物的なものである。これはガイドブックが来訪者に強制する動きである。恐らく、来訪者は自身がどこにいるのか、何に立っているのかがわからなくなるだろう。そして自らの存在を規定するのは、極めて人工的なアカオの建物とガイドブック、窓外の自然物、そして7名のアーティスト達による作品との邂逅である。

 本展は、ホテルニューアカオという場を、様々に住まう人間の土地を新たに理解するためのスタートポイントにすることを画策する。タイトル「Standing Ovation / 四肢の向かう先」には、自らの土地を愛せるように、そして未来に向かっていけるよう願いをこめた。そう私たち人間は、いま立っている場所をしかと確かめ、再度着地しなければならないのだ。